ベトナム市場2015年振り返りと2016年注目点
2016/04/17
ベトナム投資で外せない市場動向が簡潔にまとめられていました。
(出所)ニュース証券、「グエンとチョウのベトナム株式セミナー 第36回」(2016年ベトナム株式市場見通し)
2015年ベトナム株式市場を動かしたニュース
- 9月1日 改正投資法が施行され、上場企業に対する外国人保有比率の上限49%が撤廃された。
- 7月1日 改正住宅法が施行され、条件付きながら、外国人による住宅などの不動産購入が可能になった
- 10月13日 政府は国家資本総公社(SCIC)に対して、ビナミルク、FPT、バオミン保険など、10社への持ち株投資の回収を指示。
- 原油のグローバル価格が急落
- 10月5日 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意 ~ フロンティア国で唯一参加表明、最も大きな恩恵が期待される。
- 8月19日 通貨ベトナム・ドンが3回切下げられた。公定レートは年初から3.0%切下げられ、上下の変動幅も±1%から±3%に拡大。
- 中央銀行の銀行行政が「つぶさない」から「競争力強化を睨んだ再編」に転換された。
- 2015年の実質GDP成長率は、+6.68%(推定値)と過去5年間で最も高い成長率を記録。国会が承認した目標+6.2%を上回った。
プラス面: ガソリンなど燃料価格の値下げが度重なり、ベトナムの消費者物価価格の安定に大きく寄与した。
マイナス面: 原油価格の下落を受け、原油による国の歳入減、ペトロベトナム・グループの業績悪化による税収減
きっかけは、ドンと同様に、ドルにペッグしている中国人民元の大幅な切下げ
2月、ベトナム建設銀行、4月、オーシャンバンク、7月、GPバンクを、1株0ドンで強制的に買収し、国有化した。
2016年ベトナム市場に大きな影響を及ぼすと考えられる注目点
- 上場企業に対する外国人保有比率の上限撤廃の導入はどこまで拡がるか?
- 外国人投資家の売買動向 ~ 米国の政策金利の引き上げにより、外国人の投資スタンスは、純買い越しから純売り越しに
- 通貨ベトナムドンの下落圧力はどこまで続くのか? 米国の金利状況と中国経済と人民元の動きがポイント
- 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の進展は如何に?
- 2016年も高い経済成長率を維持できるか?
- 国営企業改革のスピードは加速するか? 民営化と新規公開する国営企業数は増えていくのか?
大手企業で完全に撤廃されたのはサイゴン証券のみ。撤廃の表明は、ビナミルク、ビンミン・プラスチック、ホーチミン市インフラ投資など。
直近3ヶ月間(2015年11月から2016年1月)の外国人投資家の純売越額は、3兆6950億ドンに達している。
2016年年明けから、ベトナムの中央銀行は、公定レートの改定を日々行えるように政策転換した。
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ズン首相退陣後、今年5月に発足するベトナム新指導部は、改革路線を継続するのか?
TPP等自由貿易協定、対中国政策、国営企業改革に関する政策
ベトナム市場2015年振り返りと2016年注目点は以上です。
単発の利ざや狙いなら、欧米投資銀行のレポなんかで新興国認定されたら跳ねるかもしれませんね。フロンティア(frontier)、新興国・エマージング(emerging)、先進国(advanced)で分類されているので、階層が一段あがれば欧米資本が一気に入ってくるでしょうし、それ以降にちょっとやそっとのことで揺るがない地盤を築いていくためにも上記が重要になるのではないでしょうか。
米国市場に上場しているETFなんかは、今お買い得のように思います。